社会への取組み
JPRおよびTRIMは、投資主をはじめテナント、PM会社、地域社会、TRIM従業員など多種多様なステークホルダーとの関連を有しています。ステークホルダーと長期にわたる良好な関係を構築するため、誠実と責任感をもって事業に取り組みます。
テナントへの取組み
入居される方々の満足度向上(CS)は、長期安定稼働やテナント解約リスクの低減に繋がるため、分配金の安定性にとって重要なテーマです。
テナントや利用者の皆様のご要望やご意見を直接伺い、設備やサービスに反映させていくことが、CS向上への一番の近道と考え、様々な取り組みを行っています。
「安心」「安全」に配慮した質の高いサービスの提供
全ての利用者の安全・安心に配慮し、質の高いサービスを提供することで、テナント満足度向上に繋げています。

万一の時も冷静に
災害時緊急対応体制
- 防災マニュアルの活用
- 緊急時連絡体制整備

ヒューマンエラーによる事故防止
駐車場安全性向上
- 駐車場安全基準策定
- 現状把握と基準適合確認
- 装置設置、見直し、更新
- 管理者、利用者への使用説明の徹底

笑顔のあいさつ
スタッフマナー向上
- マナーマニュアル策定
- 定期的なマナーチェック

いつもきれい
清掃レベル向上
- 清掃チェックシートの活用
- 定期的なクリーンクルーチェック

喫煙者、非喫煙者にやさしく
喫煙室設置
- 日本たばこ産業(株)と協働
- CS調査に基づき積極的に設置

快適な屋内空間
空調改修
- CS調査結果に基づき戦略的に改修
- 省エネ効果
- 在館者快適性向上

巡る季節を演出
エントランスパフォーマンス
- 春夏冬の年3回実施
エントランスに花を設置(春)
七夕、テナント参加の短冊 作成(夏)
クリスマス装飾(冬)等
定期的なCS調査と課題の改善
テナントサービスについて、ビルごとのレベルをチェックするため、定期的に全テナントの皆様に対してアンケートを実施しています。調査結果をもとにテナントの皆様の要望にスピード感を持って対応し、課題の改善に取り組んでいます。
調査については、公正な評価が得られるよう、第三者のシンクタンクに依頼しています。
CS調査結果の推移
テナント満足度向上の継続的な取組みとともに、調査の範囲の拡充や調査精度の向上にも取り組んでいます。
※新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、2020年のCS調査は中止となりました。
[2019年CS調査概要]
総合満足度:4点満点の平均値
調査時期:2019年5~6月
調査対象:42物件、テナント508社
設問項目:管理運営、テナント対応、防犯・安全、緊急時対応、環境保全等
CS検証の仕組み
テナントアンケート結果とPMの課題検証結果について、ビル管理担当者との間で情報共有し、課題の改善に取り組んでいます。
PM...プロパティマネジャー(賃貸の管理) BM...ビルマネジャー(ビル管理)
管理水準向上への取り組み(JPRベストパフォーマンスアワード表彰制度)
JPRでは、CS調査(テナント満足度調査)の結果やPM担当者の推薦などをもとに「JPRベストパフォーマンスアワード」を設け、優秀な管理水準にあるビル管理会社に対し、他物件の模範として表彰しています。当賞はテナント満足度を表彰の基準としていることから、満足度向上に対しての大きなインセンティブとなっています。受賞したビルは、担当者から管理水準向上のための積極的な意見が出てくることが多く、モチベーションがさらに向上しています。
また、受賞ビルのテナント満足度は高水準であるため、優れたサービスや取り組みを他のビル担当者と共有することで、ポートフォリオ全体の管理水準の向上に繋げています。
JPRベストパフォーマンスアワード2019受賞ビル
2019年度のベストパフォーマンスアワードは、「JPR市ヶ谷ビル」が受賞しました。管理スタッフが日頃よりテナントと良好な関係を構築しており、また建物管理にも優れていることによりテナントの満足度が高くトラブルも少なくなっています。また、店舗区画の入退去工事やテナント退去対応が同時進行した際には、難易度の高い事象に臨機応変に対応し滞りなく運営しました。テナント満足度調査においても継続的に高得点を獲得しておりJPR市ヶ谷ビルが受賞しました。
特別賞については、求められる管理水準が高い中でも毎年高評価を得ている「兼松ビル」と「兼松ビル別館」、トラブルにも迅速な復旧対応を実施し、組織的な対応にも優れた「JPR上野イーストビル」が受賞しました。また、スタッフの仕事ぶりや管理水準の高さで高評価を得た「JPR博多ビル」「薬院ビジネスガーデン」「JPR那覇ビル」も同賞を受賞しました。
安心・安全への取組み
JPRおよびTRIMは、テナントや利用者の皆様の安全を確保し、安心して快適に利用できる施設・サービスを提供することは、最も重要な責任であると考えています。 安全・安心、そして質の高いサービスを提供するためには、継続的かつ徹底した取組みが必要です。JPRおよびTRIMは、スポンサーが培ったノウハウを取り入れ、安全を最優先する運営に取り組んでいます。
安全安心の向上
JPRおよびTRIMでは、テナントの皆様やお客様が安心して利用していただけるよう「運用管理マニュアル」に沿って、適切な施設管理を行っています。
特に、安全面でのリスクが高い駐車場の管理運営においては、法的基準を上回る独自の安全基準を策定し、物件毎に検証と見直しを繰り返しながら継続的なリスク低減を図っています。なお、駐車場事故の大部分はヒューマンエラーが占めるため、利用者に対するきめ細やかなヒューマンコミュニケーションにより更なるリスク低減を推進しています。
地震・自然災害対策への取組み
東日本大震災(2011年)以降、建物の耐震性についての関心がさらに高まっています。自然災害や疫病等の不測の事態に対して、事業の継続性確保および持続的成長を可能とするため、被害の最小化や速やかな復旧の対策を整えています。
また、JPRは地震リスクを考慮し、一定の耐震基準に満たない物件は取得しておりません。
防災・事業継続計画(BCP)対応
TRIMでは、自然災害等の不測の事態に対応するために、危機管理規程と事業継続計画書(BCP)を策定し組織的な対応を図っています。
BCPの策定にあたっては、危機発生の蓋然性、影響度、危機対応の難易度の評価・選定を行い、災害対応としての重要業務や重要な要素に対して適切に講ずべき行動計画を定めています。非常事態が発生した場合には、危機対策本部を設置し、人命の安全確保を第一に資産の保全と迅速な普及対応等を行えるよう態勢を整備しています。
防災・事業継続計画(BCP)定期訓練を実施しています
緊急事態発生時にBCPが有効に活用されるためには、日頃からの従業員への教育と併せて、定期的な訓練の実施が不可欠です。
TRIMでは、防災訓練のひとつとしてBCP訓練を定期的に実施し、役社員間の連携・協力を促進し理解を深めています。同時に、訓練によって発見された課題を明らかにし、緊急事態対応のレベルアップにも取り組んでいます。
2019年度訓練風景
防災訓練の実施
JPRの保有ビルでは、地震・防災の大切さが注目される中、利用者の皆様の安全確保、地震による被害の軽減と企業活動の継続、地域の救援活動等のため、定期的に防災訓練を実施し、併せて防災についての啓蒙も行っています。また、外資系テナントが多い物件では、英語での非常用放送を実施しており、利用者の属性に合った対応も行っています。
TRIMにおいても、首都圏直下型地震を想定し、物件被害等情報収集の迅速性を高める訓練を定期的に実施し、対応能力の向上に努めています。
地震リスクに備え、PML値を活用
PMLは地震による最大予想損失額を意味します。
想定される最大規模の地震(475年に一度起こる大地震)により、どの程度被害があるかを損害の予想復旧費用の再調達価格に対する比率(%)で示したもので、比率が低いほど損失額が低くなります。JPRは、物件取得の判断時点で耐震性、PML値を確認しており、一定のPML値を超えた場合には地震保険を付与し、被災リスクが高く基準に満たない物件については取得しません。なお、現時点において地震保険の付保が必要な物件を保有していません。
※ポートフォリオにおける個別物件の耐震性、PML値につきましては、「物件データブック」にてご確認ください。
新宿センタービル 東日本大震災の揺れを軽減
JPRは、スポンサー大成建設のサポートを受けて2009年、新宿センタービルに、既存の超高層ビルとしては国内初の長周期地震動対策となる「軸力制御オイルダンパー」288台を設置しました。
東日本大震災時には、最大変位を22%、最大加速度を29%低減し、この対策により被害を最小限にとどめました。最上階の中華レストラン「東天紅」の被害はお皿少量が割れたのみ。事前の対策が被害を最小限に抑えた一例です。
周期地震対策により第20回BELCA賞を受賞
BELCA賞とは、適切な維持保全もしくは優れた改修を実施した既存の建築物のうち、特に優秀なものを選び表彰する制度です。新宿センタービルは第20回BELCA賞(ロングライフ部門)を受賞しました。
地域コミュニティへの取組み
都市再開発によるスポンサーとの協働
大規模再開発においては、耐震性の高い建築や公園、広場、街路などの公共施設の整備等を行うことで、都市の土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図ります。JPRでは、スポンサーが開発を手掛けた大規模再開発物件を中心に、70%を超えるスポンサーパイプライン物件の取得実績があり、ポートフォリオにおける大規模再開発物件の割合は43.5%です。ポートフォリオの主な大規模再開発物件は以下の通りです。
地域コミュニティへの取組み
JPRおよびTRIMは、地域の発展が、そこに所在する保有資産の価値向上に繋がると考えています。そのため、良き不動産オーナーとして地域住民の皆様との対話に努めるとともに、保有物件の敷地・施設を地域交流の場として提供するなど、地域に根差した発展に努めています。
東京スクエアガーデンでの事例
東京スクエアガーデンは環境配慮型ビルとして第三者からの高い評価を受けており、面積約3,000m²に及ぶ緑地「京橋の丘」は4階まで重なるように広がり、まとまった緑地が少ないこのエリアにおいて貴重な憩いの場となっています。また、周辺地域のCO2削減等に取り組む「京橋環境ステーション」や、多言語対応な医療施設・子育て支援施設の設置の他、以下の提供などを実施しています。
- 帰宅困難者の受け入れスペースの提供
- 防災用品の備蓄倉庫の提供
- 停電時の緊急用電源の提供
- バリアフリーな歩行者ネットワークの提供
- サステナビリティを軸とするベンチャー企業へのサポートプログラムの提供
オーバルコート大崎マークウエストでの事例
オーバルコート大崎では、ビル入居者と地域住民の皆様とのコミュニケーションの一環として、管理組合を中心にビル屋上でサツマイモ栽培を行っています。夏の最盛期にサツマイモはつるを伸ばして屋上を覆い、サツマイモの葉の蒸散作用と遮熱効果によりヒートアイランド現象の緩和対策として効果を発揮しています。
また、収穫にあたっては、屋上緑化「グリーンポテト」のサツマイモ収穫会を実施し、ビル内の入居者やビル街区にある保育園の園児に参加いただいています。収穫した一部はビル内の食堂で調理し、参加者の皆様と食事会を開催し大変喜ばれています。
ゆめおおおかオフィスタワーでの事例
ゆめおおおかオフィスタワーでは、管理組合を中心に他区分所有者と協力して協賛金を拠出し、冬季にイルミネーションを設置して地域住民の方々に喜んでいただいています。2016年に20周年イベントとして、屋上庭園を活用してゆめおおおか祭りを開催し、地域住民やビル入居者等約6,000名にご来場いただきました。
そのほか、区内在住の児童が作成した防火啓発ポスターの掲示場所提供や、献血バス停車場所の提供、地域まちづくり団体へのイベント会場の提供等、さまざまな地域貢献活動を行っています。
朝の清掃活動
TRIMは、メインスポンサーの東京建物とともに、本社の所在する日本橋・八重洲・京橋エリアでの清掃活動を定期的に行っています。東京建物グループを中心に総勢200名を超えるボランティアが参加し、地域の美化に取り組んでいます。
TRIMでは、今後も、地元の皆様との交流や、街の美化活動などを通し、地域コミュニティへの貢献に取り組んでいきたいと考えています。
山王祭
山王祭は、江戸時代、将軍が上覧する数少ない「天下祭」として、大阪天神祭・京都祇園祭とともに「日本三大祭」に数えられる日枝神社のお祭りです。
2年に1度の開催ともあって盛大に行われ、JPRの保有物件である東京スクエアガーデンが所在する京橋三丁目のお神輿も、この街を練り歩きます。
スポンサーである東京建物グループの一員として、TRIMの役職員も参加し地元の町内会の方々とともにお祭りを盛り上げています。
従業員への取組み
TRIMは企業理念のひとつとして、「役職員は、一人一人が誠実さと責任感を兼ね備えたプロフェッショナルとして行動する」を掲げており、役職員がその成長を通じて高い専門性を発揮することが、JPRおよびTRIMの持続的な成長に繋がると考えています。
そうした考えのもと、一人一人が個人として尊重され、やりがいをもって働き、最大限に力を発揮できる職場環境づくりを推進し、従業員の自己実現を支援しています。また、短期的な成果の追及だけではなく、長期的な社員育成を後押しすべく、プロセスと成果の両面を考慮し、公正・適切な評価に努めています。
人材開発
TRIMは、従業員こそが最大の経営資源との考えのもと、従業員の挑戦する姿勢に対し最大限の支援をします。従業員の一人一人が能力を最大限に発揮し、不動産投資運用のプロフェッショナルとして、より高い付加価値・新たな価値創造を実現できるよう、すべての従業員の専門性の発揮、持続可能性の拡大、自己管理能力の向上のために必要な教育研修体系を整備し、人材育成を行っています。
人材育成プログラム
従業員の中長期的な育成の観点から、等級・役職別に必要な能力に合わせた階層別研修を体系的に設定し、職務ランクに応じたキャリア開発や将来の経営幹部の育成を行っています。また、コンプライアンスやESGなど社会的な要請の強いテーマについては、独自に作成した研修プログラムを毎年実施しています。
等級 | 人材イメージ | 主要遂行能力 | 階層別職能研修 | 全体研修 | 個別研修 | |
---|---|---|---|---|---|---|
階層研修 | スキル研修 | |||||
A | 担当分野において会社を代表するプロフェッショナルとして会社の成果追及をけん引する。等 | ・経営戦略力 ・事業改革力 ・組織化力 ・後継者育成能力 |
等級ごとに ヒューマンスキル及びコンセプチュアルスキル研修等を指定 |
独自研修(コンプライアンス研修、ESG研修等) | ・e-learning (必須、任意) ・資格取得研修 ・専門講習 ・語学研修 |
|
B | 高度なプロフェッショナルとして、質・量の両面から高レベルの業務を担い、担当分野における成果追及の中心となる。等 | ・マネジメント能力 ・戦略策定能力 ・指導育成能力 |
・マネジメント研修 ・評価研修 |
|||
C | 特定範囲の業務遂行における中核として、所属するチーム全体の成果に貢献する。等 | ・課題解決力 ・リーダーシップ開発 ・マネジメント基礎能力 ・コミュニケーション能力 |
・リーダーシップ研修 ・マネジメントアセスメント |
|||
D | 特定範囲の業務の担当者として、業務遂行の責任を担う。等 | ・問題発見解決能力 ・業務改善能力 ・業務完遂能力 ・コミュニケーション能力 |
・コミュニケーション研修 ・リーダーシップアセスメント |
|||
E | アシスタントとして上位者の業務遂行をサポートする。等 | ・業務処理能力 ・文章作成能力 ・基本動作・基本態度 |
(主体性) |
等級 | 人材イメージ | 主要遂行能力 |
---|---|---|
A | 担当分野において会社を代表するプロフェッショナルとして会社の成果追及をけん引する。等 | ・経営戦略力 ・事業改革力 ・組織化力 ・後継者育成能力 |
B | 高度なプロフェッショナルとして、質・量の両面から高レベルの業務を担い、担当分野における成果追及の中心となる。等 | ・マネジメント能力 ・戦略策定能力 ・指導育成能力 |
C | 特定範囲の業務の担当者として、業務遂行の責任を担う。等 | ・課題解決力 ・リーダーシップ開発 ・マネジメント基礎能力 ・コミュニケーション能力 |
D | 特定範囲の業務の担当者として、業務遂行の責任を担う。等 | ・問題発見解決能力 ・業務改善能力 ・業務完遂能力 ・コミュニケーション能力 |
E | アシスタントとして上位者の業務遂行をサポートする。等 | ・業務処理能力 ・文章作成能力 ・基本動作・基本態度 |
等級 | 階層別職能研修 | 全体研修 | 個別研修 | |
---|---|---|---|---|
階層研修 | スキル研修 | |||
A | 等級ごとに ヒューマンスキル及びコンセプチュアルスキル研修等を指定 |
独自研修(コンプライアンス研修、ESG研修等) | ・e-learning (必須、任意) ・資格取得研修 ・専門講習 ・語学研修 |
|
B | ・マネジメント研修 ・評価研修 |
|||
C | ・リーダーシップ研修 ・マネジメントアセスメント |
|||
D | ・コミュニケーション研修 ・リーダーシップアセスメント |
|||
E | (主体性) |
能力開発
TRIMでは、すべての従業員が高い専門性を発揮するため、能力開発を積極的に支援しています。従業員のスキルアップのため、年2回以上の専門講習等の受講を義務付け費用負担を行うほか、eラーニングを活用した社内研修なども定期的に実施しています。また、専門講習等の受講状況については上席が管理を行い、指導育成に役立てています。
資格取得については、「不動産証券化協会認定マスター(ARES Certified Master)」など資格取得費用を負担するなどの支援を行っています。
2020年3月末現在、資格保有者は以下の通りです。
宅地建物取引士 | 34名 |
---|---|
不動産証券化協会(ARES)認定マスター | 13名 |
不動産鑑定士 | 4名 |
一級建築士 | 2名 |
公認会計士 | 1名 |
日本証券アナリスト | 4名 |
関連データ | 2017年度 (2017.4~2018.3) | 2018年度 (2018.4~2019.3) | 2019年度 (2019.4~2020.3) |
---|---|---|---|
年間総研修時間 | 748時間 | 835時間 | 683時間 |
従業員1人当たり 研修時間 | 19.2時間 | 20.4時間 | 16.3時間 |
研修を受けた役職員の割合 | 100.0% | 100.0% | 100.0% |
人事制度
TRIMは、従業員1人ひとりの能力の開発・発揮を重視しており、従業員の公正な処遇と人材育成を目的として人事制度規程を制定しています。成果に基づく人事評価の公正性・透明性向上により、プロフェッショナルとしての実力を発揮し、一人一人が高い向上心を持って働く環境作りを進めています。評価については、公平性を期すため、多段階評価や評価水準について全社での調整を行うほか、評価結果は各従業員に通知され、異議等がある場合は申し立てができるなどの救済制度を設けています。
従業員と評価者は3カ月ごとに面談を実施し、従業員それぞれの能力の開発段階に応じて期待される役割と発揮した成果を共有して、評価の納得性を高めるとともに、能力開発促進の重要な機会として活用しています。一方、評価者についても、評価研修の機会を設け、公正な評価・指導を徹底しています。
従業員満足度調査
従業員はTRIMにおいて最も身近なステークホルダーであり、その満足度向上が持続的な成長にとって重要であると考えています。そのため、すべての従業員に対し、職場環境・メンタルを含めた健康問題・教育支援・処遇や人事施策など幅広い項目に関する調査を毎年定期的に実施しています。調査結果は経営層へ報告されるとともに、従業員へのフィードバックを実施し、社内環境などの改善につなげています。
従業員表彰制度
TRIMでは社内表彰制度を設けており、著しい功績を上げた従業員を対象に毎年表彰を行っています。従業員表彰によって、一人一人のモチベーション向上を図り、進取の精神を持って仕事をする企業風土を醸成しています。
ワークライフバランス
TRIMは、従業員の労働時間の見直しによって仕事と生活の調和を保つことが、生産性や働きがいの向上に繋がると考えています。従業員一人一人が最大限に能力を発揮できるよう、ワークライフバランスに配慮して、働きやすい環境づくりを推進しています。
長時間労働の防止
TRIMでは、従業員が健康的に働く環境づくりの一環として、労働関連法の順守徹底を図るとともに、慢性的・恒常的な長時間労働の防止に努めています。全従業員の勤務状況を適切に管理するとともに経営層への報告を行いながら必要に応じて改善指導などの対策を講じています。
関連データ | 2017年度 (2017.4~2018.3) | 2018年度 (2018.4~2019.3) | 2019年度 (2019.4~2020.3) |
---|---|---|---|
従業員1人当たりの残業時間(月次) | 13.2時間 | 10.7時間 | 12.5時間 |
休暇制度
従業員の持つ能力を最大限に発揮して成果を上げるためには、充分な休養と仕事への活力を養うことが大切です。より高い付加価値を生み出すためにも、休暇の取得の重要性が高いと考えています。TRIMでは、業務効率化等により休暇を取得しやすい職場環境を整備し、有給休暇取得率の向上に努めるとともに、通常の年次有給休暇のほかに、シーズン休暇を付与し、長期の休暇取得を奨励しています。
また、2018年度からは私傷病の際に、安心して通院や療養のための休暇がとれるようシックリーブ制度を導入し、持病を持つ従業員であっても活躍できる態勢を整備しました。
関連データ | 2017年度 (2017.4~2018.3) | 2018年度 (2018.4~2019.3) | 2019年度 (2019.4~2020.3) |
---|---|---|---|
有給休暇取得率 | 89.1% | 83.2% | 70.8% |
健康と快適性
従業員の心身の健康が、TRIMおよびJPRが持続的に発展してゆくための源泉であると捉えています。高い生産性と豊かな創造性の醸成に従業員の健康は不可欠であり、TRIMは社内諸制度の整備や職場環境の改善に努め、従業員およびその家族の健康増進を積極的に支援していきます。
ヘルスケア
TRIMは、健康管理について重要な課題であるとの認識のもと、健康診断受診およびインフルエンザ予防接種の全額補助と奨励を実施しています。また、生活習慣病対策・メタボ対策・禁煙治療・歯科検診等、予防と早期治療による健康改善にも取り組んでいます。 メンタルヘルスケアについては、いつでも気軽に相談ができるよう健康相談窓口を設置し、対面でのカウンセリングを通じてきめ細かい対応ができる体制を整備しています。
なお、TRIMでは、健康保険組合連合会東京連合会の健康優良企業認定制度で「健康優良企業」として認定され、「健康優良企業 銀の認定証」の発行を受けています。
関連データ | 2017年度 (2017.4~2018.3) | 2018年度 (2018.4~2019.3) | 2019年度 (2019.4~2020.3) |
---|---|---|---|
健康診断受診率 | 100.0% | 100.0% | 100.0% |
苦情や要望の収集と相談窓口(ヘルプライン)
TRIMでは、全ての従業員(派遣社員・パートタイマーを含む)にかかるコンプライアンス違反行為等の通報、および苦情・相談を受付け、適切な処置を行う仕組みを有しています。
全ての社員を対象に、年1回、人事担当責任者が面談を実施し、人事や、人間関係等職場での不満や要望、健康状態や家庭などの問題について相談を受けるとともに、対応が必要な問題については人事担当部署が支援を行います。さらに、コンプライアンス違反等重要な問題が発見された場合は、コンプライアンス室に報告されコンプライアンス規定に基づく対応を行います。
また、業務上の様々なトラブルや問題等の相談・通報窓口として、コンプライアンス室を設置しており、また、内部通報規程に基づき、外部の相談窓口も設置されています。全ての従業員(派遣社員・パートタイマーを含む)は、内部通報制度を利用して公正な調査を依頼し、コンプライアンスに違反する行為等の是正を図ることができます。同規程では、通報者のプライバシー保護や、通報者に対する不利益行為の禁止、報復行為など職場環境の悪化の防止措置を定めるとともに、通報された内容に対して、社長・監査役の監督指示のもと適切な是正や再発防止措置を講じ、必要な処分を実施することを義務付けています。
従業員との個別面談
全ての社員は、年1回、人事担当責任者との面談を実施しています。面談は、職場や人間関係等の不満や要望、健康状態や家庭などの問題、将来のキャリアビジョン等幅広い内容をヒアリングする機会となっており、従業員へのその後の支援や職場環境の改善などに役立っています。
オフィス環境の整備
TRIMは、従業員のパフォーマンス発揮には快適なオフィス環境が必要と考えています。オフィス各所に植栽を配置するほか、従業員同士のコミュニケーションが促進されるようなドリンクサーバーやお菓子コーナーを備えた共有スペースの充実や休憩室の設置など働きやすい職場の整備を進めています。また、通信環境の整備によりオフィスのあらゆる場所でPC等を使用でき、作業の効率化や会議のペーパレス化による紙資源の削減等にも効果を上げています。
労使の関係
JPRおよびTRIMの繁栄は経営側と従業員との良好な関係とともにあると考えています。TRIMでは、風通しの良い職場環境作りの一環として、経営層と従業員の交流会を半年毎に実施して、経営層とすべての従業員が直接対話する機会を設けるなど、風通しの良い職場環境作りに取り組んでいます。なお、TRIMは設立以来、人員削減に類する措置を実施したことはなく、ストライキ等の労働問題も発生しておりません。
ダイバーシティ
TRIMは、中長期的な成長・企業価値の向上のため、国籍や性別、年齢・価値観・属性に関係なく、役職員一人一人の多様性を尊重し、活躍できる環境づくりを進めています。
人権の尊重・ハラスメントの防止
様々な考え方や価値観を持つ人たちと接する機会がある中、相手を否定することなく、互いに認め合い、敬意と尊厳をもって接することが基本であると考えています。TRIMは、いきいきと働くことのできる職場環境の土台づくりとして、差別や嫌がらせなどのハラスメントを排除しています。なお、東京建物グループおよびTRIMでは、コンプライアンス研修を通し、差別撤廃・ハラスメント防止などについての啓蒙・知識習得を推進しています。
女性活躍の促進
TRIMは、従業員の多様性が持続的な成長に欠かすことのできないテーマであると考えており、従業員の多様なニーズへの対応に努めています。また、働く場面で活躍したいという希望を持つ女性が、その個性と能力を充分に発揮できる職場環境作りを推進しています。
関連データ | 2017年度 (2017.4~2018.3) | 2018年度 (2018.4~2019.3) | 2019年度 (2019.4~2020.3) |
---|---|---|---|
育児休暇取得者 | 2名 | 0名 | 0名 |
短時間勤務者 | 2名 | 2名 | 2名 |
シニア層の活躍
TRIMは、60歳以上の継続雇用を希望する従業員に対して、継続雇用する「再雇用制度」を導入し、シニア人材が定年後も業務経験・知識・スキルなどを活かして引き続き活躍できる環境づくりに取り組んでいます。
人事関連データ
従業員関連データ | 2017年度 | 2018年度 | 2019年度 |
---|---|---|---|
常勤取締役員数 | 5名 | 5名 | 3名 |
(内、男性) | 5名 | 5名 | 3名 |
(内、女性) | 0名 | 0名 | 0名 |
従業員数(正社員・契約社員) | 39名 | 41名 | 42名 |
全従業員に占める正社員比率 | 94.9% | 90.2% | 92.9% |
正社員数 | 37名 | 37名 | 39名 |
(内、男性) | 31名 | 32名 | 33名 |
(内、女性) | 6名 | 5名 | 6名 |
契約社員数 | 2名 | 4名 | 3名 |
(内、男性) | 0名 | 0名 | 1名 |
(内、女性) | 2名 | 4名 | 2名 |
出向者数 | 13名 | 11名 | 11名 |
(内、男性) | 12名 | 11名 | 10名 |
(内、女性) | 1名 | 0名 | 1名 |
女性社員比率 | 20.5% | 22.0% | 21.4% |
女性管理職の比率 | 0.0% | 0.0% | 0.0% |
女性取締役の人数 | 0名 | 0名 | 0名 |
平均勤続年数 | 6年10ヵ月 | 6年3ヵ月 | 7年3ヵ月 |
(内、男性) | 6年7ヵ月 | 6年0ヵ月 | 6年10ヵ月 |
(内、女性) | 7年5ヵ月 | 6年8ヵ月 | 8年4ヵ月 |
新規採用者数 | 1名 | 5名 | 2名 |
(内、男性) | 1名 | 3名 | 2名 |
(内、女性) | 0名 | 2名 | 0名 |
離職者数 | 2名 | 1名 | 1名 |
(内、男性) | 2名 | 1名 | 0名 |
(内、女性) | 0名 | 0名 | 1名 |
離職率 | 7.7% | 3.3% | 3.6% |
有給休暇取得率 | 89.1% | 83.2% | 70.8% |
健康診断受診率 | 100.0% | 100.0% | 100.0% |
年間総研修時間 | 746時間 | 835時間 | 683時間 |
従業員1人当たり研修時間 | 19.1時間 | 20.4時間 | 16.3時間 |
研修を受けた役職員の割合 | 100.0% | 100.0% | 100.0% |
サステナビリティ研修を受けた役職員の割合 | - | - | 72.7% |
従業員1人当たりの残業時間(月次) | 13.2時間 | 10.7時間 | 12.5時間 |
(内、男性) | 14.1時間 | 12.9時間 | 14.5時間 |
(内、女性) | 9.1時間 | 5.2時間 | 7.5時間 |
育児休暇取得者 | 2名 | 0名 | 0名 |
介護休暇取得者 | 0名 | 0名 | 0名 |
短時間勤務者 | 2名 | 2名 | 2名 |
- 上記データは、2017年度(2017年4月1日~2018年3月31日)、2018年度(2018年4月1日~2019年3月31日)、2019年度(2019年4月1日~2020年3月31日)の3年分の実績を対象としています。
投資口累積投資制度の導入
TRIMでは、JPR投資主とTRIM役職員の利害一致を促進し、JPRの業績向上と継続的な安定成長への意識を高めることを目的として、投資口累積投資制度を導入しています。併せて、加入する従業員に対して奨励金を支給しており、同制度への加入促進を図るとともに、従業員の福利厚生の一環としても活用しています。
投資主・投資家への取組み
投資主・投資家の皆さまの視点に立った迅速・正確な情報開示に努め、説明会やイベント参加を積極的に行い、コミュニケーションの強化を図ります。
情報開示について
情報開示の充実が不動産投資信託証券市場の発展・成否に大きな影響を与えるという認識のもと、「適時かつ適切な情報開示、積極的なIR活動による透明性の高いファンド運営を通じ、社会と投資主からの信頼を獲得する」ことを経営方針のひとつに掲げています。この経営方針を実践する上で、東京証券取引所の定める「上場有価証券の発行者の会社情報の適時開示等に関する規則(以下、「適時開示規則」といいます)に基づく情報の開示はもとより、適時開示規則に該当しない情報であっても投資家の投資判断にあたって有用と判断される情報については、積極的かつ公平な情報開示に努めています。
IRに係る活動状況
ホームページを通して、法定開示書類、プレスリリース、決算情報(財務諸表、決算短信、アナリスト向け説明会資料、決算説明会動画等)、運用資産の特性、パフォーマンス状況及び個人投資家向け情報等のさまざまなコンテンツを用意し、合わせて迅速な情報開示に努めています。
また、決算毎に、証券アナリストを中心とする在京の機関投資家や取引金融機関及びその他関係先等を対象に運用状況や業績見通し等に関する説明会を行っており、加えて国内外の機関投資家に対し、100~120件の個別ミーティングを実施しています。
海外投資家に対しては、北米・欧州及びアジアを中心に、個別ミーティングを実施しているほか、証券会社主催のカンファレンスにも積極的に参加しています。
また個人投資家に対しては、決算毎に東京と地方主要都市の2都市で計200~300名を対象に決算説明会を実施しているほか、不動産証券化協会および証券会社等が主催する個人投資家セミナーにも積極的に参加しています。