環境への取組み

JPRおよびTRIMでは、環境への配慮が不動産投資運用において重要な課題であると認識しており、保有物件の設備改修や運用改善等を通じて、環境負荷の低減に取り組んでいます。また、施設利用者の快適性や生物多様性にも配慮しながら、環境に優しい運用を図っています。

気候変動

経済活動のグローバリゼーションや人口増加等を背景に、気候変動、資源、水、生態系といった様々な環境問題は深刻化しており、大雨による洪水などの被害により国内の多くの企業にも具体的な影響を及ぼしています。また国際フレームワークの形成も進展しており、パリ協定で採択された2℃目標は企業の気候変動対応の推進力になる一方、法令や規制等の厳格化が予想されています。
かかる気候変動に関する課題が、JPRおよびTRIMの事業に大きな影響を与えるものと認識しています。

方針

JPRとTRIMは、ステークホルダーからの社会的要請と事業領域のふたつの側面から5つマテリアリティ(重要課題)を特定しており、「気候変動への対応」をそのひとつとして掲げています。また、TRIMではサステナビリティ方針においても気候変動に関して策定しています。
環境問題の重要性を認識し、保有資産のマネジメントを通し環境負荷の低減を目指します。

  • 省エネルギー・温室効果ガスの削減を推進します。
  • 水資源の有効活用や廃棄物の3R(リユース・リデュース・リサイクル)化に努めます。
  • 環境に関する情報の積極的な開示に取り組みます。

TCFDへの賛同

TRIMは、金融安定理事会(FSB、Financial Stability Board)によって設立された「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD、Task Force on Climate-related Financial Disclosures)提言について2021年5月に賛同を表明しました。今後TCFD提言の4つの項目(ガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標)に基づき、気候変動対応がもたらすリスクと機会の分析を行い、その取組みを積極的に開示しています。

TCFD_logo_blue_HP-2.png

マネジメント体制

TRIMは、サステナビリティ規程に従いサステナビリティ委員会を設置しており、同社代表取締役社長を委員長として、原則として年4回開催しています。同委員会では、基本方針の審議や活動のモニタリング、推進体制構築等を実施しています。

戦略

(1)リスクと機会の特定
TRIMは、JPRの気候変動リスクに関する財務的な影響について分析を行い、以下のリスクを特定しました。

リスク・機会の分類特定したリスク時間軸影響度
1.5/2℃
影響度
4℃
移行リスク 炭素税導入によるオペレーションコストの増加 中長
エネルギー価格上昇によるコスト増 中長
グリーンビル対応の遅れによるテナント退去 短中長
グリーンビル対応の遅れによる投資家離反 中長
物理リスク 慢性的な気温上昇によるエネルギー使用量の増加 中長
水害リスクによる修繕コスト増 短中長
機会 グリーンビルディングの賃料増加 中長
省エネ・再エネ対応によるコスト削減効果 中長

(2)シナリオ分析の実施
以下のシナリオで分析しています。

ⅰ. 1.5℃/2℃シナリオ(規制の影響大)
   気候変動抑制のため法規制が厳格化されるシナリオ

ⅱ. 4℃シナリオ(気候変動の影響大)
   気候変動対策が進まず、自然災害が激甚化するシナリオ

(3) JPRの戦略と目標
TRIMは、気候変動に関するリスクを「移行リスク」と「物理リスク」に分類して対応するとともに、創出される新たな機会を捉えて運用を行っています。

ⅰ.【移行リスク】
① 炭素税導入によるオペレーションコストの増加

財務への影響 環境関連法規制強化により炭素税の課税が行われると、保有物件のオペレーションリスクの増加につながる。
戦略
  • LED照明化工事の推進
  • 排出係数の低い電力会社への契約切換え
  • ZEBの検討
目標(2030年)
  • CO2排出原単位30%削減(2017年比)
  • 水使用量原単位10%削減(2017年比)

② グリーンビル対応の遅れによるテナント退去

財務への影響 グリーンビル対応が遅れると、カーボンニュートラル達成を目指す企業ニーズに応えられないことでテナント退去を招き、賃料共益費等の定額収入の喪失につながる。
戦略
  • 環境認証取得比率の向上
目標(2030年)
  • JPRポートフォリオの環境認証取得比率80%以上
  • 環境性能で一定の評価水準以上のカバー率向上
    CASBEE不動産評価認証におけるS、AもしくはB+ランク
    DBJ Green Building認証における5つ星、4つ星もしくは3つ星
    BELS認証における5つ星、4つ星もしくは3つ星

③ グリーンビル対応の遅れによる投資家離反

財務への影響 グリーンビル対応の遅れにより、金融機関の融資撤退及び投資撤退を招き、資金調達コストが上昇する。
戦略
  • ポートフォリオのグリーン化の推進及び適切な情報開示による金融機関の理解促進

  • ESGに関心を持つ投資家層とのリレーション拡大による資金調達基盤の強化

ⅱ.【物理リスク】
① 水害リスクによる修繕コスト増

財務への影響 気候変動によって台風や洪水等の水害リスクが上昇すると、保有物件が水害によって被害を受け、改修コストが発生する。
戦略
  • 各物件の所在するエリアの最新リスクのモニタリング

  • 各物件の設備状況を定期的に現地確認実施
  • 水害対策設備や備品の増強
  • 災害訓練実施によるレジリエンス強化

ⅲ.【機会】
① グリーンビルディングの賃料増加

財務への影響 法規制が強化されてテナントの環境性能の高い物件に対する需要が増加し、資産価値および賃貸事業収入が上昇する。
戦略
  • 環境認証取得比率の向上

目標(2030年)
  • JPRポートフォリオの環境認証取得比率80%以上

  • 環境性能で一定の評価水準以上のカバー率向上
    CASBEE不動産評価認証におけるS、AもしくはB+ランク
    DBJ Green Building認証における5つ星、4つ星もしくは3つ星
    BELS認証における5つ星、4つ星もしくは3つ星


(4)低炭素移行計画
JPRのCO2排出削減の目標は、2030年までに30%削減(原単位ベース、2017年比)としています。当該目標の達成に向けて以下の取組みを推進しています。

CO2削減戦略グラフ-2.png

ⅰ. LED照明切換え等の省エネ工事・運用の改善
ⅱ. 電力会社契約見直しによる排出係数の改善
ⅲ. 再生可能エネルギーの導入

リスク管理

(1)リスク管理
気候変動リスクは、運用および管理に係るリスクと統合され、複数の検証システムを通じてモニタリングし管理しています。TRIMではリスク管理規定に基づき、リスク管理の実効性を高めるためにリスク管理委員会を設置しており、リスクの洗い出し・評価対応・モニタリング・改善の施策等について審議しています。同委員会における審議の内容、経過並びに結果については取締役会に報告されます。

(2)リスク管理プロセス
TRIMでは気候変動リスク等について年に2回モニタリングを実施し、リスク管理委員会において審議されます。また、年間の取組み状況を総括したうえで、次年度計画を年末に策定し、TRIM取締役会に報告されます。

目標達成に向けての施策

JPRでは、エネルギー効率の高い設備への改修や運用方法改善などの環境・省エネルギー対策に取り組む一方、温室効果ガス排出数値の測定を実施し、CO2排出削減を推進しています。

エネルギー調達の切換え

  • 電力会社の見直し
    定期的に現行のCO2排出係数をモニタリングし、契約の見直しによってCO2排出削減に取り組んでいます。なお、CO2排出係数の数値で判断するだけではなく、その根拠、電源構成や係数オフセットの方法についても確認します。
  • 再生可能エネルギーの導入
    再生可能エネルギーとは、温室効果ガスを排出しない自然由来のエネルギー源のことで、太陽光・風力・地熱・中小水力・バイオマスといったものがそれにあたります。調達コストの増加を抑制しながら再生可能エネルギー100%プラン契約の導入を検討しています。

設備改修による取組み

  • 高効率空調設備への更新
    空調設備の消費電力量は建物全体に占める割合が高く、特に夏季高温時の電力需要は急激に増加します。JPRおよびTRIMは空調設備更新を計画的に実施しており、経済性・快適性の向上とCO2削減に取り組んでいます。
  • LED照明への更新
    共用部の照明や誘導灯等にLEDを順次導入しており、消費電力を削減しています。
  • 人感センサー付照明機器への更新
    人感センサーは人と明るさに反応し、必要な時だけ点灯するため、消し忘れによる消費電力を削減する効果があります。JPRでは、トイレ、給湯室、階段室において、共用部のリニューアルに併せて人感センサーを設置し、不使用時の照明を消灯させ、消費電力削減に努めています。

運用改善による取組み

JPRでは、施設運営においても、共用部における消費電力の削減を目的としたこまめな運転調整や季節に応じた運転制御に取り組んでいます。

区分対策事項主な取組み
照明 空室不在時のこまめな消灯 点灯・消灯基準を作成し、空室・不在時の消灯を促進
共用部照明のフロア管理 共用部照明を、テナントの利用時間に応じて管理
空調設備 冷暖房温度を推奨値に変更 冷暖房温度について、適正な設定温度をテナントに推奨
空室の空調機電源の遮断 空室部分の空調機の電源を遮断し、待機電力の消耗を防止
予熱・予冷時の外気導入停止 空調負荷の低減化を図るため、予熱時・予冷時の外気導入を制限
その他設備 契約電力の変更 契約電力低減のための制御機器の運転方法の見直しを行い、常時待機機器は適宜電源オフを実施
コンデンサーによる力率改善 コンデンサーのこまめな制御によって力率を改善し、電路・変圧器のエネルギー損失を減少
便座ヒーター温度の季節設定 トイレ洗浄便座のヒーター及び洗浄水温度を管理し、季節ごとの設定温度を調整
外灯等の点灯時間季節別管理 屋外照明の自動点滅管理、季節に応じた点灯時間管理を実施

建物のレジリエンス対応

TRIMでは原則年1回、保有する全物件(底地を除く)について災害(台風・大雨・洪水・地震等)によるハード面の装備等を現地確認し、新たなリスクの有無等をチェックし、不動産の毀損・滅失および劣化のリスクの回避に努めています。また、定期的にハザードマップの更新状況を確認し、保有物件の所在するエリアのモニタリングを実施するなど災害の予測を通したレジリエンス対応を進めています。

テナントの危機管理

保有する各ビルにおいて定期的に防災訓練を実施し、入居テナントの従業員の迅速な安全確保や災害の拡大防止の措置がとれるよう確認しています。

再生エネルギー導入の検討

太陽光・風力といった再生可能エネルギーは、温室効果ガスを排出せず将来の規制リスク等の影響を受けない有望なエネルギーで、世界では再生可能エネルギーの発電コストが急速に低下しています。JPRおよびTRIMは経済性・安定性・安全性を検証し個別物件の特性を踏まえながら導入を行っています。

環境関連データのモニタリング

JPRは環境・省エネルギー対策を推進しつつ、定期的に温室効果ガス排出数値の測定を実施し、CO2排出削減に努めています。

項目・単位2017年2018年2019年2020年
電気使用量 総量(MWh) 95,436 93,444 91,730 89,156
原単位(MWh/m2 0.142 0.145 0.141 0.131
ガス使用量 総量(MWh) 17,908 17,992 17,008 16,352
原単位(MWh/m2 0.027 0.028 0.026 0.024
熱使用量 総量(MWh) 11,999 12,217 11,682 14,038
原単位(MWh/m2 0.018 0.019 0.018 0.021
エネルギー使用量 総量(MWh) 125,344 123,653 120,421 119,546
原単位(MWh/m2 0.186 0.191 0.185 0.176
水使用量 総量(m2 536,559 521,176 514,929 444,213
原単位(m3/m2 0.798 0.807 0.790 0.654
Scope1 総量(t-CO2) 3,213 3,228 3,051 2,934
原単位(t-CO2/m2 0.005 0.005 0.005 0.004
Scope2
(マーケットベース)
総量(t-CO2) 53,473 47,498 46,675 43,091
原単位(t-CO2/m2 0.080 0.074 0.072 0.063
Scope1+2 総量(t-CO2) 56,686 50,726 49,726 46,025
原単位(t-CO2/m2 0.084 0.079 0.076 0.068
Scope3
カテゴリー1 (t-CO2e) 5,744
カテゴリー2 (t-CO2e) 10,383
カテゴリー3 (t-CO2e) 8,420
カテゴリー4 (t-CO2e) 1
カテゴリー5 (t-CO2e) 2,894
カテゴリー6 (t-CO2e) 10
カテゴリー7 (t-CO2e) 11
カテゴリー8 (t-CO2e) 31
カテゴリー9 (t-CO2e) N/A
カテゴリー10 (t-CO2e) N/A
カテゴリー11 (t-CO2e) N/A
カテゴリー12 (t-CO2e) N/A
カテゴリー13 (t-CO2e) N/A
カテゴリー14 (t-CO2e) N/A
カテゴリー15 (t-CO2e) N/A
項目・単位201720182019
電気使用量(総量(MWh)) 95,436 93,444 91,730
電気使用量(原単位(MWh/m2)) 0.142 0.145 0.141
ガス使用量(総量(MWh)) 17,908 17,992 17,008
ガス使用量(原単位(MWh/m2)) 0.027 0.028 0.026
熱使用量(総量(MWh)) 11,999 12,217 11,682
熱使用量(原単位(MWh/m2)) 0.018 0.019 0.018
エネルギー使用量(総量(MWh)) 125,344 123,653 120,421
エネルギー使用量(原単位(MWh/m2)) 0.186 0.191 0.185
水使用量(総量(m2)) 536,559 521,176 514,929
水使用量(原単位(m3/m2)) 0.798 0.807 0.790
Scope1(総量(t-CO2)) 3,213 3,228 3,051
Scope1(原単位(t-CO2/m2)) 0.005 0.005 0.005
Scope2(マーケットベース)(総量(t-CO2)) 53,473 47,498 46,675
Scope2(マーケットベース)(原単位(t-CO2/m2)) 0.080 0.074 0.072
Scope1+2(総量(t-CO2)) 56,686 50,726 49,726
Scope1+2(原単位(t-CO2/m2)) 0.084 0.079 0.076
  • 各データは、JPRが把握できる範囲の数値を記載しています。
  • エネルギー使用量とスコープ1排出量については、非常用発電機燃料由来のものについては対象外です
  • 各エネルギー使用量、水使用量、GHG排出量に関しては、オフィスと商業施設の内訳についても検証対象としています。また、各原単位は、JPRの保有持分相当の延床面積に、各年毎の平均稼働率(賃貸面積/賃貸可能面積)を乗じた面積により算出しています。

水資源の保全

JPRでは、トイレや給湯室などの更新時期に合わせて、節水効果の高い器具に切り替えています。また、水使用量の管理については、適切に管理計測しテナントの協力を得ながら使用量の削減に努めています。
なお、保有する一部の物件においては、雨水や中水の再利用設備を備えており、上水使用量の削減を図っています。

水使用量
項目・単位2017年2018年2019年2020年
オフィス 総量(m3 359,744 343,353 328,094 290,620
原単位(m3/m2 0.709 0.709 0.673 0.565
商業施設 総量(m3 176,815 177,823 186,835 150,253
原単位(m3/m2 1.071 1.100 1.139 0.911
合計 総量(m3 536,559 521,176 514,929 444,213
原単位(m3/m2 0.798 0.807 0.790 0.654
水使用量
項目・単位201720182019
オフィス(総量(m3)) 359,744 343,353 328,094
オフィス(原単位(m3/m2)) 0.709 0.709 0.673
商業施設(総量(m3)) 176,815 177,823 186,835
商業施設(原単位(m3/m2)) 1.071 1.100 1.139
合計(総量(m3)) 536,559 521,176 514,929
合計(原単位(m3/m2)) 0.798 0.807 0.790

廃棄物の削減/有害物質管理

廃棄物排出量について

JPRは、産業廃棄物の分別やリサイクルの強化などを通じて、積極的に廃棄物量の削減に取り組んでいます。廃棄物削減においては、テナントや清掃会社と協力し、以下の取り組みを実施しています。

  • リサイクル範囲の拡大
  • 使用済み蛍光管・乾電池のリサイクル処理
  • 分別ルールの徹底
  • リサイクル強化・啓蒙活動

廃棄物とリサイクル率

項目2017年2018年2019年
年間廃棄物量(t) 5,137 4,950 4,813
リサイクル率 55.7% 54.9% 56.4%
  • JPRが保有する物件の内、テナント直接排出の物件で数値の把握ができない物件を除いて集計しています。
  • 廃棄物については、2017年度(2017/4/1~2018/3/31)と2018年度(2018/4/1~2019/3/31)、2019年度(2019/4/1~2020/3/31)を記載しています。
  • 小規模3物件については、廃棄物データを収集する等の活動を行っていない等の理由から集計対象外としています。

有害物質管理

アスベスト処理

  • 2005年7月に石綿障害予防規則(厚生労働省)が施行され、事業主は従業員を就業させる建築物で吹付アスベスト等の飛散する恐れがある場合、除去・封じ込め・囲い込み等の措置を講じることが義務付けられました。
  • JPRでは、本規則施行以前から設備改修等の際、アスベスト等吹付材の撤去を進めており、オフィス・廊下等の利用者の使用頻度の高い箇所については、除去・封じ込め・囲い込み等の必要な対策をすべて完了しています。
  • アスベスト等の吹付材を含有する物件では、ビル管法に基づく空気環境測定時に、アスベストの状況を継続的に測定し、基準値以下であることの点検・検証を行っています。
  • 物件取得においては、売買契約締結までに専門家による調査を実施し、アスベスト等の環境汚染物質が適切に管理されていることを確認しています。

PCB処理

JPRの保有物件においてPCBが含有される場合、その電気機器等を除去した後、関連法令に則り処理を行っています。処理までの期間については、各都道府県環境局のPCB保管・管理基準に基づき適正な保管管理を行っています。

再生可能エネルギーの活用

JPRが保有する東京スクエアガーデンおよびオリナスタワーでは、太陽光発電設備を導入し再生可能エネルギーを活用しています。なお発電量(KWh)は以下の通りです。

物件名2017年2018年2019年2020年
オリナスタワー 5,400 5,412 5,388 4,708
東京スクエアガーデン 4,551 4,578 3,655 3,304
  • 発電量についてはJPR保有持分相当分の数値です。

東京スクエアガーデンの写真 東京スクエアガーデン(屋上)

オリナスタワーの屋上の写真 オリナスタワー(太陽光パネル)

壁面や屋上の緑化の推進

JPRでは、JPRブランド戦略の一環として、壁面や屋上など環境に適した植物による緑化を実施しています。都市の自然的環境を創出するとともに、多様な生物の生息の促進を図っています。また、壁面や屋上の緑化は、遮熱効果や建物内の熱負荷を軽減し、冷房による消費電力の削減効果があります。

センシティビルディングの写真 屋上緑化(センシティビルディング)

テナントとの協働

グリーンリース契約の推進

グリーンリース契約とは、ビルを所有するオーナーとテナントが協働し、省エネなどの環境負荷の低減や執務環境の改善について取り決めることを言います。JPRの賃貸借契約書では、グリーンリース条項を標準化しており、テナントとの協働による環境負荷の低減を進めています。

グリーンリース契約事例(新潟駅南センタービル)

JPRのテナントの中には環境意識の高い企業・団体が入居されており、お互いにWin―winになるようなグリーンリース契約締結を推進しています。新潟駅南センタービルにおいて、個別にグリーンリース契約を締結しました。

ポイントは以下の通りです

  • LED照明への切替によるCO2排出及びコストの削減
  • 環境負荷軽減による物件のクオリティ向上

新宿駅南センタービルの写真

PM会社との協働による実効性の向上

環境負荷軽減の取組みを推進するためには、物件の現場で管理運営を行っているPM会社との協働が不可欠です。JPRおよびTRIMでは、PM会社と定期的に情報共有し、省エネ・環境問題の取組みに関する協議を行っています。
また、JPRおよびTRIMでは、サステナビリティに関する啓蒙及び対応力向上を図るためPM会社等を対象とした研修会を開催しています。

不動産投資における環境への配慮

取得時のデュー・デリジェンスにおける環境リスクの低減

JPRおよびTRIMでは、新規物件取得時において、売買契約締結までに必ず現地の視察・調査に加え外部の専門家を活用して土壌汚染などの環境や社会的リスクを事前に確認し、そのリスク回避に努めています。

都市再生・再開発

メインスポンサーの東京建物は、自然エネルギー利用や先進的な省エネ技術を積極的に採用した開発を進めています。JPRは東京建物グループとともに、持続可能な街づくりを推進しています。なお、JPRでは新規開発プロジェクトへの投資は行いませんが、東京建物ではグループ環境方針のもと土壌汚染などの環境法令の遵守を徹底する等環境に配慮しています。

グリーンファイナンス

JPRは、グリーンファイナンス実施のために「グリーンボンド原則(Green Bond Principles)2018」及び「グリーンボンドガイドライン 2017年版」に即したグリーンファイナンス・フレームワークを策定しました。

グリーンファイナンスのフレームワーク

資金の使途

グリーンファイナンスにより調達した資金は、以下の項目に該当する資金に充当します。

  • グリーン適格資産(後述)の既存又は新規資産の取得資金
  • グリーン適格資産の取得に要した借入金の返済資金
  • グリーン適格資産の取得に要した投資法人債の償還資金

グリーン適格資産

グリーン適格資産とは、以下の基準のいずれかの認証を取得または将来取得予定のものから選定されます。

  • DBJ Green Building認証における5つ星、4つ星、もしくは3つ星
  • CASBEE不動産評価認証におけるS、A、もしくはB+ランク

資金調達の管理

グリーン適格資産の取得価格の総額に、総資産額に対する有利子負債比率を乗じてグリーン適格負債を算出し、その金額をグリーンファイナンスの調達上限額とします。

ファイナンスの状況

グリーンボンド発行残高

2020年12月末時点 110億円

第24回無担保投資法人債
発行額 50億円
発行日 2019年7月31日
償還期限 2029年7月31日
利率 0.570%
摘要 無担保・無保証
資金使途 ・2010年5月31日取得 JPR千駄ヶ谷ビル(20億円)
・2012年8月8日取得 薬院ビジネスガーデン(30億円)
第25回無担保投資法人債
発行額 60億円
発行日 2020年11月26日
償還期限 2030年11月26日
利率 0.510%
摘要 無担保・無保証
資金使途 ・2010年5月31日取得 JPR千駄ヶ谷ビル(60億円)

適格資産(2020年12月末時点)

物件名取得価格
(百万円)
DBJ Green Building 認証CASBEE
オリナスタワー 31,300 ★★★★★
東京スクエアガーデン 18,400 ★★★★★
新宿センタービル 21,000 ★★★★
JPR千駄ヶ谷ビル 15,050 ★★★★
オーバルコート大崎マークウエスト 3,500 ★★★★
大宮プライムイースト 6,090 ★★★
ライズアリーナビル 5,831 ★★★
ゆめおおおかオフィスタワー 6,510 ★★★
兼松ビル 16,276 ★★★
ビッグス新宿ビル 15,121 ★★★
品川キャナルビル 2,041 ★★★
川崎ダイスビル 15,080 ★★★
JPR麹町ビル 5,750 S
JPR武蔵小杉ビル 7,260 S
武蔵浦和ショッピングスクエア 4,335 S
FUNDES上野 3,800 S
損保ジャパン仙台ビル 3,150 S
JPR梅田ロフトビル 13,000 S
ハウジング・デザイン・センター神戸 7,220 S
JPR日本橋堀留ビル 5,100 A
JPR渋谷タワーレコードビル 12,000 A
JPR千葉ビル 2,350 A
JPR横浜日本大通りビル 2,927 A
川口センタービル 8,100 A
JPR上野イーストビル 3,250 A
JPR名古屋伏見ビル 4,137 A
薬院ビジネスガーデン 10,996 A
JPR横浜ビル 7,000 B
合計 256,574
グリーン適格資産件数(物件) 28
グリーン適格資産取得価格総額(百万円) 256,574
総資産LTV(%) 40.6
グリーン適格資産負債額(百万円) 88,172
適格資産の延床面積の総計(㎡) 453,472
適格資産のエネルギー使用量(2020年、MWh) 73,417
適格資産のCO2排出量(2020年、t) 28,320
適格資産の水使用量(2020年、㎥) 283,517
  • 適格資産及び総資産LTVは2020年12月末時点の値を記載しています。

レポーティング

サステナビリティファイナンス等が残存する限り、各年12月末時点における以下の指標を公表します。

a)資金の充当状況
b)適格資産の物件数
c)各グリーン適格資産が取得した第三者認証レベル
d)適格資産の延床面積の総計
e)エネルギー使用量※
f) CO2排出量※
g)水使用量※
h)改修工事に伴う改善効果

※ e-gの指標については、グリーン適格資産を対象とした年毎の集計数値を公表します。なお一部物件については、JPRのエネルギー管理権限を有している範囲で開示します。

外部機関の評価

本投資法人はグリーンファイナンス・フレームワークの適格性について、評価機関である株式会社日本格付研究所(JCR)より「グリーンファイナンス・フレームワーク評価」の最上位評価であるGreen1(F)を取得しています。
JCR評価ページリンク https://www.jcr.co.jp

サステナビリティ認証等

環境認証の取得状況

JPRでは、環境負荷が低く持続可能性の高いポートフォリオを目指し、環境認証取得率向上に取り組んでいます。
取得状況は以下の通りです。
項目2018年12月2019年6月2019年12月2020年6月2020年12月2021年6月
物件数 17 21 23 26 30 36
延床面積 223,389 352,458 359,132 414,241 453,472 489,927
取得比率 34.0% 53.4% 54.4% 60.1% 65.5% 71.4%

DBJ Green Building 認証の取得

「DBJ Green Building 認証」は、ビルの環境性能に加えて、防災や防犯、及び不動産を取り巻く様々なステークホルダーからの社会的要請に配慮した不動産(「Green Building」)の普及促進を目的に、株式会社日本政策投資銀行(DBJ)が独自に開発したスコアリングモデルにより評点化を行い、その上で時代の要請に応える優れた不動産を選定する認証制度です。なお、結果は5段階で評価されます。

DBJ Green Building 認証に関するウェブサイト:http://igb.jp/

DBJ Green Building 認証

物件名称評価ランク取得年月
東京スクエアガーデン ★★★★★ 2017年7月
オリナスタワー ★★★★★ 2018年12月
JPR千駄ヶ谷ビル ★★★★ 2018年12月
オーバルコート大崎マークウエスト ★★★★ 2018年12月
新宿センタービル ★★★★ 2019年3月
大宮プライムイースト ★★★ 2018年12月
ライズアリーナビル ★★★ 2018年12月
ゆめおおおかオフィスタワー ★★★ 2018年12月
兼松ビル ★★★ 2018年12月
ビッグス新宿ビル ★★★ 2018年12月
品川キャナルビル ★★★ 2018年12月
川崎ダイスビル ★★★ 2019年6月
JPRクレスト竹橋ビル ★★ 2018年12月
新宿スクエアタワー ★★ 2019年3月

CASBEE不動産評価認証の取得

「CASBEE」は建築環境総合性能評価システム(Comprehensive Assessment System for Built Environment Efficiency)の略で、国土交通省の主導のもと、日本で開発・普及が進められている建物の総合的な環境性能を評価するシステムです。省エネルギーや環境負荷の少ない資機材の使用といった環境配慮に加え、室内の快適性や景観への配慮なども含めた建物の品質を総合的に評価します。

本制度の内容等につきまして、以下をご参照下さい。
CASBEEのウェブサイト:http://www.ibec.or.jp/CASBEE/

認証票_350.png
物件名称評価ランク取得年月
武蔵浦和ショッピングスクエア S 2019年6月
JPR梅田ロフトビル S 2019年6月
ハウジング・デザイン・センター神戸 S 2019年6月
JPR麹町ビル S 2019年12月
FUNDES上野 S 2019年12月
JPR武蔵小杉ビル S 2020年6月
損保ジャパン仙台ビル S 2020年6月
新横浜第二センタービル S 2021年6月
損保ジャパン和歌山ビル S 2021年6月
JPR堂島ビル S 2021年6月
JPR心斎橋ウエスト S 2021年6月
薬院ビジネスガーデン A 2018年6月
JPR渋谷タワーレコードビル A 2019年6月
川口センタービル A 2020年6月
JPR日本橋堀留ビル A 2020年12月
JPR千葉ビル A 2020年12月
JPR横浜日本大通ビル A 2020年12月
JPR上野イーストビル A 2020年12月
JPR名古屋伏見ビル A 2020年12月
JPR心斎橋ビル A 2021年6月
JPR茶屋町ビル A 2021年6月
JPR横浜ビル B 2020年12月

BELS認証の取得

BELSは、建築物省エネルギー性能表示制度(Building-Housing Energy-efficiency Labeling System)の略で、国土交通省によって制定された「非住宅建築物に係る省エネルギー性能のための評価ガイドライン(2013)」に基づき、第三者機関が非住宅建築物の省エネルギー性能の評価及び表示を的確に実施することを目的とした性能表示制度です。
第三者機関が様々な尺度を基に省エネルギー性能等に関する評価を行い、その結果は星の数(★~★★★★★)により表示されます。

別記1_BELSロゴマーク(非住宅).png
物件名称評価ランク取得年月
JPR麹町ビル ★★★ 2020年12月
FUNDES上野 ★★ 2021年6月

その他受賞等

「花と緑のまちづくり賞」受賞(薬院ビジネスガーデン)

福岡市の都心部にある「薬院ビジネスガーデン」は、その名の通り公開空地を広く設け、空気を緑に染めそうなケヤキの回廊をはじめ、23種類の植栽が四季折々の表情を見せます。施設利用者を問わず寛ぐ人の姿が多い、癒しに満ちた緑の空間です。緑化推進は資産価値の向上と共に、街づくりの一助ともなる取り組みとして力を入れています。【第10回 「花と緑のまちづくり賞」受賞(2013年)】

薬院ビジネスガーデンの写真 ビルを囲む植栽(薬院ビジネスガーデン)