よくあるご質問・豆知識

皆様から寄せられる、よくあるご質問について、お答えします。また、REITに関連する豆知識もご紹介しています。ぜひ、ご活用ください。

よくあるご質問

分配金について

Q1分配金は、どのようにして受取るのですか?

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A.分配金のお受取には、以下の2つの方法があります。

郵便局にて現金でのお受取

お手元に届けられる「分配金領収書」にご捺印のうえ、ゆうちょ銀行本支店及び出張所並びに郵便局へご持参いただきますと、現金でのお受取が可能です。

金融機関へ自動振込でのお受取

ご指定いただいた金融機関へ分配金をお振込みできます。
自動振込をご希望の場合は、お取引証券会社等へお問い合わせください。

※ 銀行・信用金庫等の他、ゆうちょ銀行の貯金口座(通常貯金口座)でも自動振込によるお受取が可能です。

Q2郵便局での受取期間(払渡の期間)が過ぎてしまいました。
どうしたら分配金を受取れますか?

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A.「分配金領収書」の表面「受領印」欄にご押印、裏面に受取方法を記入し、下記へご郵送ください。

〒168-8507 東京都杉並区和泉二丁目8番4号
みずほ信託銀行株式会社 証券代行部宛

※ みずほ信託銀行(トランスラウンジを除く)、みずほ銀行の各本支店でもお支払が可能です。又、みずほ証券でもお取次ぎいたします。
※ 本投資法人規約の規定により、分配金の支払開始日より3年以内にお受取りになりませんと、お支払いできなくなります。お早めにお受取りください。

Q3分配金領収証が送られてきていないのですが、どうすれば分配金を受取ることができますか?

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A.分配金受取の権利をお持ちの方で、「分配金領収書」が届いていない方は、下記へお問い合わせください。

一般事務受託
みずほ信託銀行株式会社 証券代行部 0120-288-324(フリーダイヤル)

※ 分配金受取の権利をお持ちの方...とは
東京証券取引所での権利付き最終取引日まで投資口を保有され、決算期最終の投資主名簿に記載されている方です。
当期の権利付き最終取引日については、「決算・分配金情報」をご覧ください。

Q4過去の分配金は、いつでも受取ることができるのですか?

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A.分配金のお受取期限は3年以内です。お早めにお受取りください。

※ 本投資法人規約の規定により、分配金の支払開始日より3年以内にお受取りになりませんと、お支払いできなくなります。
各期の分配金の受取期限は下記の通りです。

決算期受取期限
第23期(2013年 6月期) 2016年9月12日
第24期(2013年 12月期) 2017年3月10日
第25期(2014年 6月期) 2017年9月11日
第26期(2014年 12月期) 2018年3月12日
第27期(2015年 6月期) 2018年9月10日
第28期(2015年12月期) 2019年3月11日
第29期(2016年6月期)

2019年9月9日

第30期(2016年12月期)

2020年3月10日

日本プライムリアルティ投資法人(JPR)について

Q5JPRはどんな会社で、どんな特徴がありますか?

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A.JPRの特徴は、「外部成長戦略」「内部成長戦略」「財務戦略」「分配金の安定性」「今後の成長戦略」で紹介しています。

Q6どんな物件・地域に投資するのですか?

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A.詳しくは、「複合型ポートフォリオ」「外部成長戦略」をご覧ください。

Q7今後、住宅やホテルへの投資をしますか?

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A.オフィスに附帯して設置された住宅を除いて、住宅やホテルへ投資の予定はありません。

理由は以下の通りです。

住宅

  • 一般的に1棟当たりの資産規模が数億円程度と小さいため、資産規模拡大の想定スピードと合致しないこと
  • 相当数の物件を組み入れない限り、管理コストの負担が大きいこと
  • 収益の安定性はあるものの、内部成長の余地が限定的なこと

ホテル

  • 単純な賃貸事業ではなく、運営事業まで踏み込んだ独自のマネジメント能力が求められること
  • 一般的に季節や景気等の影響を受けやすいため、安定性の観点からJPRの方針に合わないこと

その他、倉庫等の物流・産業施設やヘルスケア施設等も、オフィスビル・商業施設に比べてテナント代替性が低く、マーケットの規模も限定されていること、又運営するにあたって特殊なマネジメント能力が必要であることから、投資の対象としておりません。

成長戦略について

Q8物件取得・売却の考え方を教えてください。

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A.取得:首都圏を第一優先に、大阪・名古屋といった三大都市圏や主要都市において厳選投資を行い、収益の安定化を重視します。
売却:現状分析や、将来性の予測、ポートフォリオ全体の資産構成を考慮し、総合的に判断します。

詳細は以下の通りです。

取得

詳しくは、「外部成長戦略」をご覧ください。

売却

当該売却対象資産の現状、将来の収益や資産価値の増減等の予測、およびポートフォリオ全体の資産構成等を考慮して、総合的に判断します。
また、各決算値に資産評価を行い、その評価額が帳簿価格の20%を下回った場合も、売却検討の対象とします。

物件取得と売却の意思決定プロセスは、「コーポレートガバナンス」をご覧ください。

Q9「外部成長」とは何ですか?

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A.不動産の追加取得によって資産規模を拡大し、その増収によって成長していくことです。

追加取得には3つの成長要素があり、キャッシュフローを増加させます。

資産規模拡大による経費節減(スケールメリット)

資産運用会社(TRIM)の運用報酬基準は、資産規模の拡大=売上の拡大に伴い、経費率が逓減する体系を採用しています。

※ 詳しくは、「Q20.資産運用会社(TRIM)の運用報酬体系は投資主との利害と一致した体系ですか?」をご参照ください。

借入等による追加取得(レバレッジ効果)

借入等の資金調達による物件の追加取得は、投資口の追加発行を伴わないため、低金利で調達するほどレバレッジ(てこ)効果が働き、1投資口当たりの利益を増大させます。

物件入替による収益性の拡大

立地や建物のスペックにおいて競争力に欠ける物件を売却しつつ、安定的な収益の維持・拡大が見込まれ、ポートフォリオクオリティの向上につながる優良物件を取得します。

Q10「内部成長」とは何ですか?

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A.詳しくは、「内部成長戦略」をご覧ください。

Q11「JPRブランド戦略」とは何ですか?

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A.テナントの満足度を上げることで、収益と資産価値の向上を目指す戦略です。

コンセプトは"A/3S"
Service(サービス)、Safety(安心)、Save Energy(環境)の3つの"S"を核に、最上の"A"(Amenity:快適空間)を実現し、稼働率アップや賃料収入増を図ります。

Service 共用部(エントランス・トイレ等)の改修、エントランスパフォーマンス、ビル名称の変更、シンボリックポイントの設置等

※詳しくは、JPRブランド戦略の展開"Service"をご覧ください。

Safety 防犯カメラの設置、耐震補強工事、駐車場安全装置の設置等

※詳しくは、 JPRブランド戦略の展開"Safety"をご覧ください。

Save Energy 空調設備の改修、トイレ節水装置の設置、屋上緑化等

※ 詳しくは、 JPRブランド戦略の展開"Save Energy"をご覧ください。

Q12財務戦略をどのようにお考えですか?

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A.詳しくは、「財務戦略」をご覧ください。

Q13JPRは格付を取得しているのですか?

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A.詳しくは、「財務基本情報」「財務戦略」をご覧ください。

Q14なぜ投資口の追加発行(増資)をするのですか?

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A.一定規模以上の良質なポートフォリオを構築するため、追加発行(増資)による資金調達を行います。

安定分配を継続し、投資主価値をさらに高めていくためには、一定規模以上の良質な不動産ポートフォリオを構築することが必要です。
資金調達の手段として、主に借入・投資法人債等(有利子負債)と投資口の追加発行(増資)がありますが、安定的な運用を継続するために多くのREITはLTV(有利子負債比率)の上限を設けていることから、LTVが一定水準以上になると増資を行うことがあります。
増資に伴い発行済投資口数が増加し、1投資口当たりの分配金額が低減する等の希薄化(ダイリューション)が生じることがありますが、JPRは、この希薄化の影響を十分に配慮したうえで増資を検討することにしています。

マーケットの環境について

Q15オフィス・商業施設の賃貸マーケットについて教えてください。

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A.オフィス・商業施設の賃貸マーケットは以下の通りです。

オフィス賃貸市場

東京23区のオフィス賃貸市場については、新設、拡張、立地改善等、前向きな新規需要が拡大したことから、需給バランスの改善がさらに進みました。これを受けて、S/Aクラスビルの新規賃料水準は上昇傾向を強めており、Bクラスビルを含むマーケット全般についても、フリーレント期間の縮小など好影響が広がりつつある状況です。

商業施設賃貸市場

商業施設については、増税の影響が特に懸念されましたが、JPRが投資対象としている都市型商業施設においては、新規出店ニーズが底堅く、懸念された影響はほとんどありませんでした。銀座、表参道等の好立地な都市型商業施設では、空室がほぼ無くなりつつあり、賃料は反転上昇してきています。

Q16不動産の売買マーケットについて教えてください。

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A.良好な資金調達環境を背景に、REITの新規上場や公募増資が相次ぎ、大型の取引案件も含め、取引量は拡大しました。
ただし、スポンサーからの取得が目立ち、不動産売買マーケットにおける需給は、特に優良物件を中心に逼迫感が高まっている状況です。
また、マーケットでの売買においては、海外投資家や私募リートによる物件取得が目立ってきています。キャップレートの低下と賃貸収益の回復期待が相まって、一段の高値での価格形成がされており、地方案件への投資の動きも広がってきています。

資産運用会社と利益相反について

Q17資産運用会社(TRIM)はどんな会社ですか?

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A.東京建物等を中心とした芙蓉グループ5社が出資する、株式会社東京リアルティ・インベストメント・マネジメント(TRIM)です。

TRIMは、2001年に投信法上の投資法人資産運用業の認可を受け、現在はJPRの資産運用を専門に行っています。
また、TRIMのスポンサーは東京建物株式会社、安田不動産株式会社、大成建設株式会社、損害保険ジャパン日本興亜株式会社、明治安田生命保険相互会社の5社で、これらスポンサーの有する不動産・建設・金融といった多彩で豊富なノウハウと情報を活用することにより、資産規模の成長とリスク軽減などを図りながら、投資主価値の最大化に努めます。

なお、TRIMの沿革、組織・運用体制などについてはTRIMのホームページを、スポンサーについては「スポンサーの概要」をご覧ください。

Q18「利益相反」とは何ですか?

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A.当事者の間で利益が相反することです。例えば、J-REITとその関係者との取引で、一方が不当な利益を受け、もう一方の投資家が不利益を被るといった場合の問題です。

「利益相反」の具体例としては、資産運用会社のスポンサー(株主)が、ある物件を売却したい場合に、スポンサーの立場を利用し、市場価格を大幅に超えた価格でJ-REITに自社物件を購入させることを資産運用会社に働きかけ、不当に利益を得ることなどが挙げられます。
JPRの資産運用会社であるTRIMでは、投信法に規定されている「利害関係人等」に加え、独自の基準で「利害関係者」を設定し、より厳格な基準を設けています さらに、利害関係人等や利害関係者との取引については、外部の弁護士を招いてコンプライアンス委員会で審議後、JPR役員会での事前承認を必須としており、厳格な基準によって投資主に不利益が生じない体制を整えています。

なお、利益相反回避のためのルールについては「Q19.利益相反回避のためのルールがありますか?」をご参照ください。

Q19利益相反回避のためのルールがありますか?

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A.「利害関係人等」取引について投信法上一定の制限を受けることに加え、TRIMが独自に定める「利害関係者」との取引についても自主ルールを設けています。

利害関係人等、利害関係者とは以下の通りです。

用語定義具体的該当者
利害関係人等 TRIMの親法人及び子法人等、その他TRIMと密接な関係を有する者として投信法施行令で定める者 東京建物株式会社
利害関係者 利害関係者とは以下のいずれかに該当する者をいう
ア. 資産運用会社へ出費又は役員の派遣、使用人の出向を行っている者
イ. アに該当する者の親会社、子会社及び関連会社
ウ. ア、イのいずれかが過半の出資を行うなど重要な影響を及ぼし得る特別目的会社(特定目的会社、合同会社、株式会社等を含む)、組合その他のファンド
エ. 以上の者と実質的に同視し得る者
東京建物株式会社
安田不動産株式会社
大成建設株式会社
損害保険ジャパン日本興亜株式会社
明治安田生命保険相互会社等

利害関係人、利害関係者との取引には以下のルールを設けています。

  1. 利害関係者からの物件・資産の取得
    a)不動産および不動産信託受益権の場合
    JPRの役員会の事前承認を得るものとします。
    b)その他の特定資産の場合
    時価が把握できる場合は時価とし、それ以外の場合は上記a)によるものとします。
  2. 利害関係者への物件・資産の売却
    a)不動産および不動産信託受益権の場合
    1物件当たりの「売却額」(売却金額のみとし、税金及び売却費用等は含みません)は、鑑定評価額以上とします。又、JPRの役員会の事前承認を得るものとします。
    b)その他の特定資産の場合
    時価が把握できる場合は時価とし、それ以外の場合は上記a)によるものとします。
  3. 利害関係者への物件の賃貸(所定の軽微な賃貸を除く)
    市場相場および対象物件の標準的な賃貸条件等を総合的に勘案して、適正な賃貸条件に基づき賃貸するものとします。又、JPRの役員会の事前承認を得るものとします。
  4. 利害関係者への不動産管理委託
    物件関連業務運用基準(*)に基づき委託を行います。また、JPRの役員会の事前承認を得るものとします。
    (*)物件関連業務運用基準については、有価証券報告書内「 2【投資方針】(1)投資方針 b.投資態度(ハ)」をご覧ください。
  5. 利害関係者による売買・賃貸の媒介または仲介手数料
    a)売買
    媒介または仲介手数料は売買価格の3%+6万円(ただし消費税等を除く)を上限とし、JPRの役員会の事前承認を得るものとします。
    b)賃貸
    媒介または仲介手数料は契約賃料の1か月分相当を上限とします。
  6. 利害関係者に対する工事の発注
    1,000万円超の工事については、第三者の見積価格、内容等と比較検討したうえで発注することとし、JPRの役員会の事前承認を得ることとします。
  7. 利害関係者からの借入
    市場水準での借入条件で借り入れるものとします。また、借入に際しては、当該借入を含む資金計画(3か月毎の資金の運用・調達計画等を示したもの)について、JPRの役員会の事前承認を得るものとします。

Q20資産運用会社(TRIM)の運用報酬体系は投資主との利害と一致した体系ですか?

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A.投資主利益との一致を目指した、透明性の高い報酬体系です。

TRIMに対する報酬は以下の通りです。

報酬の種類報酬額の計算方法投資主との利害一致について
固定報酬

月額1,250万円

インセンティブ報酬1 1営業期間の総収入額(*1)の2%
※80億円を超える部分は1.5%
売上に変動した報酬体系                      
インセンティブ報酬2 1営業期間の税引前当期純利益の3%
(インセンティブ報酬2控除前)
利益に連動した報酬体系
インセンティブ報酬3 物件取得した場合、その取得価格の0.25%(*2) 外部成長に連動した報酬体系

(*1)「総収入額」とは、以下の総額をいいます。
 1.不動産から生じる賃料、共益費、駐車場使用料、付帯収益、施設使用料、施設設置料、遅延損害金、賃貸借契約解約に伴う解約違約金またはそれに類する金銭
 2.その他賃貸業務から生じる収入、利子・配当収入、およびこれらに類する収益

(*2)「物件」とは不動産等または不動産等を主たる投資対象とする資産対応証券等、JPRの投資対象資産をいい、「取得価格」は消費税及び地方消費税並びに取得に伴う費用を除きます。

その他

Q21J-REIT投資の主なリスクは何ですか?

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A.損失が発生するリスクがありますので、リスク要因をチェックすることが大切です。
主なリスク要因は以下になります。

価格変動のリスク J-REITは、証券取引所で売買されているため価格が変動し、元本は保証されていません
価格は取引所における需給バランスの他、金利情勢、政治・経済状況、不動産市況その他市場を取り巻く様々な要因の影響を受けて変動します
収益変動のリスク 不動産の稼働率低下等による賃料収入の減少や地震等の自然災害による建物の被害、不動産保有にかかる費用、物件の売却損等により、収支が悪化するリスクが存在します。これにより分配金が減少する可能性があります
金利変動のリスク REITは投資家からの出資だけではなく、金融機関からの借入によっても資金調達を行っています。このため、金利が上昇すると費用負担が増えるため収益悪化の要因となります
市場での取引に関するリスク 総資産額の減少や売買高の減少等、証券取引所が定める上場廃止基準に抵触した場合は上場廃止となります。上場廃止となった場合には、著しく低い価格で売却せざるを得なくなったり、売却が困難になる可能性があります
法制度等の変更リスク REITや不動産に関わる法制度の変更により、収益の悪化や資産及び投資元本の価値の減少につながる可能性があります

※ 投資に関する全てのリスクではなく、上記以外のリスクも存在します。

Q22物件の安全性については、どのように取り組んでいますか?

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A.詳しくは、「地震対策への取組み」をご覧ください。

Q23投資主総会はどのような頻度で開催するのですか?

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A.原則として、2年に1回の開催になります。

一般の事業会社とは異なり、投資法人の決算にあたって投資主総会の決議は不要ですので、分配金支払についての投資主総会は開かれませんが、投資法人規約や執行役員・監督役員の選任等、一定の重要な意思決定を行う場合は、法律上、投資主総会の開催が義務付けられています。JPRは、原則として2年に1回招集すること、並びにその他法令に別段の定めがある場合や必要に応じて随時開催することを投資法人規約に規定しております。

なお、投資主総会で決議された主な事項につきましては、「投資主総会について」をご覧ください。

豆知識

不動産鑑定評価について

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不動産の鑑定評価とは

土地もしくは建物、又はこれらに関する所有権以外の権利についても、その経済価値を判定し、結果を価格として表示することをいいます。不動産の鑑定評価によって求められる価格は、基本的には「正常価格」(注1)です。
ただし、投資家に示すための投資採算価格を表す場合には、特定資産の取得時又は保有期間中の価格としての評価が必要なため「特定価格」(注2)となります。
ただし、投資法人等が特定資産を譲渡する際は「正常価格」を使います。

  • (注1)正常価格とは、市場性を有する不動産について、現実の社会経済情勢の下で合理的と考えられる条件を満たす市場で形成されるであろう市場価値を表示する適正な価格をいいます。
  • (注2)特定価格とは、市場性を有する不動産について、法令等による社会的要請を背景とする評価目的の下で、正常価格の前提となる諸条件を満たさない場合における不動産の経済価値を適正に表示する価格をいいます。特定資産の取得時又は保有期間中の価格としての鑑定評価に際しては、投資家に開示される運用方法を所与とする必要があることから、特定価格として求めます。なお、投資法人等が特定資産を譲渡するときは正常価格として求めます。

3つの鑑定評価方法

不動産鑑定評価を算出する代表的なものには下記の3つがあります。

  • 原価法
    再調達原価を求め、減価補正を行って算出
  • 取引事例比較法
    近隣の取引事例と比較して算出
  • 収益還元法
    将来得られる収益を現在価値で割り引いて算出

投資家保護の観点から、不動産の収益力を適切に反映するため、収益還元法による収益価格を示すこととされています。

収益還元法とは

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不動産が将来生み出すことが期待される純収益の現在価値の総和を算出し、不動産価格を求める手法です。
収益還元法の基本式は、以下の通りです。

収益還元法の基本式

基本式では、「割引率」によって、期を追う毎に純収益が割り引かれていきます。これは、一般的に、将来手に入るお金が、現在すぐに手に入るお金より、低い価値で認められているからです。
この割引率は、将来手に入る実現性が不確実なほど大きくなります。
つまり、割引率は不動産に対する投資収益率といえます。

  • (注)純収益は、貸室賃料収入、駐車場収入、水道光熱費収入等の賃貸事業収入から維持管理費、公租公課、損害保険料等の賃貸運営管理経費を控除したものです。

収益価格を求める方法

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収益価格を求める方法には、以下の2つがあります。

  • 直接還元法
    一定期間の純収益を還元利回りによって還元する方法
  • Discounted Cash Flow法(DCF法)
    連続する複数の期間に発生する純収益及び復帰価格をその発生時期に応じて現在価値に割り引き、それぞれを合計する方法

直接還元法とは

純利益を一定とすることから基本式は無限等比級数の総和を求めることになり、結果的に純収益を割引率で割り算したものが収益価格となります。
ただし、実際の不動産事業収支による純利益は一定ではなく変動するため、割引率にこの変動を考慮した「還元利回り」と呼ばれる値で割り算をします。
還元利回りは次の式で求められます。

R(還元利回り)=Y(割引率)- g(純収益の変動率)

直接還元法による収益価格

DCF法とは

基本的には直接還元法の基本式で表すことができますが、一般的に一定の分析期間が設定されます。
例えば、分析期間を10年とした場合の式は以下の通りです。

DCF法による収益価格

11年目以降の純収益の総和は、直接還元法と同様に無限等比級数の和を求めることになるため、11年目の純収益を割引率で割り算して求めます。その際、割る数には直接還元法と同様に「還元利回り」が使われますが、10年後の価格を求めることで不確実性がより高くなるため、この値を「最終還元利回り」と呼んで区別しています。
こうして求められる10年後の価格を「復帰価格」といいます。

DCF法は、連続する複数の期間に発生する純収益および復帰価格を予測し、それらを明示することから、収益価格を求めるプロセスについて説明力に優れています。そのため、不動産の取得時又は保有期間中の価格等、投資家に開示されることを目的とする場合の鑑定評価に関してはこの方法が標準的に用いられています。


 

割引率を求める方法

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純利益を割り引くための「割引率」を求める方法には以下があります。

  • 類似の不動産の取引事例との比較から求める方法
  • 借入金と自己資金に係る割引率から求める方法
  • 金融資金の利回りに不動産の個別性を加味して求める方法
  • 投資家等の意見の活用
  • 整備された不動産インデックスの活用

不動産の割引率は一般的に国債などの金融資産と比べて高くなります。割引率が高くなる要因(実現性を不確実にする要因)には以下のようなことが考えられます。

  • 投資対象としての危険性
    自然災害などの発生や土地利用に関する計画および規制の変更によって価値が変動する可能性が高いこと
  • 非流動性
    希望する時期に必ずしも適切な買い手が見つかるとは限らないこと
  • 管理の困難性
    賃貸経営管理について専門的な知識と経験を必要とし、管理の良否によって得られる収益が異なること

地震PMLについて

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地震PML(Probable Maximum Loss)とは不動産評価のデューデリジェンスにおける評価値の1つです。地震によってその建物が被ると予想される損失の最大値で、地震による被害リスクを表す指標として用いられます。

地震PMLの定義

建物価格に関わる物的損失(注1)のみを評価対象とし、通常はこの損失額を建物価格で割った値で表されます。そのため0%(無被害)から100%(全損)までの値で表現され、値が小さいほど地震による被害リスクが小さいということになります。
具体的な地震PMLの定義は「50年10%の地震による予想損失の90%非超過値」とされています。

50年10%の地震とは

今後50年間に10%を超える確率で発生すると予測されている地震動(例えば最大加速度)のうち、最も大きなものをさします。50年間10%の確率を1年間の確率に略換算(注2)すると1/475となることから、これを再現期間475年の地震、あるいは、475年に一度の地震ということもあります。

図1は、ある建物位置における50年間での地震動の超過確率を表すグラフ(地震ハザード曲線)です。
例えば、最大加速度が6m/s²、8m/s²の超過確率を読み取ることによって、今後50年間に最大加速度が6m/s²、8m/s²より大きな地震動が襲来する確率はそれぞれ0.95%、0.26%であることが読み取れます。
図1では超過確率10%の最大加速度は3.1m/s²となっていますので、50年10%の地震は最大加速度3.1m/s²の地震動ということになります。

地震ハザード曲線

図1 地震ハザード曲線

予想損失の90%非超過値とは

損失がその値を超えない確率が90%の損失で、損失の90%信頼性水準ともいいます。
例えば50年10%の地震による損失の確率分布が図2のようになる場合、曲線が囲む面積の左から90%の位置が地震PMLとなります。この値が0.34となっていますので、地震PMLは34%となり「50年10%の地震が襲来した時に、損失額が建物価格の34%を超えない可能性は90%(超える可能性は10%)である」ということになります。

予想損失の分布とPML

図2 予想損失の分布とPML

  • (注1)損失には、家具・備品等の損失や被災によって建物を使用できなくなるために被る損失、人的損失は含まれません。
    建物価格に関わる物的損失のみが損失の評価対象となります。
  • (注2)略換算とは、1年間で発生する確率をP1とすると、1年間で発生しない確率は1-P1、50年間で発生しない確率は(1-P1)50となり、50年間で発生する確率P50=1-(1-P1)50となります。これを逆算すると、P1=1-(1-P50)1/50となり、P50=0.1(50年10%)ではP1≒0.002105=1/475となります。

耐震性能を判断する指標

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地震PMLには「50年10%の地震の大きさ(地震環境)」「地盤環境」「建物の耐震性能」の3つが関係しています。

例えば、耐震性能が同じである場合、地震発生の可能性が高い場所にある建物は地震PMLの値が大きくなり、地震の少ない地域にある建物は小さくなります。
また、同じ地域の中でも敷地の地盤状況によって値が異なります。

地震環境・地盤環境が同じ場合には、建物の耐震性能が重要になってきます。地震PMLに最も影響するのは構造体としての耐震性能ですが、この他にも電気設備や衛生設備、空調設備等の設備機器の耐震性能や地震火災の可能性等も関係します。
つまり、既にある建物の構造体を補強(耐震改修)したり、設備機器を耐震補強したりすることにより地震PMLを効果的に低減できる場合があるのです。

建物に損失を生じる要因

図3 建物に損失を生じる要因

建物の設計年(建築年)と耐震性能

構造体としての耐震性能を判断する1つの指標として、設計された年代があります。
建築基準法施行令は過去1971年と1981年に改正され、その度に設計方法が変わったため、設計時期が1970年以前か、1971から1980年か、1981年以降かで、耐震性能が異なっている可能性が高いのです。
各施行令の改正は、それまでわかっていなかった設計方法の不具合を是正するものですので、改正以前に設計された建物には、その不具合が含まれている可能性が高く、地震PMLも大きくなる傾向にあります。
一般的に古い建物ほど地震PMLが大きくなるのは、経年劣化よりも設計方法の違いが大きく影響しています。一方で、古い建物であっても、大きな建物・重要な建物であったため非常に慎重に設計されていれば、地震PMLが小さい場合があることも意味しています。

ポートフォリオ地震PML

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地震PMLは建物1棟に対する値ですが、これを応用して複数棟を対象としたものが「ポートフォリオ地震PML」です。
地震PMLは地震によるリスクを表していますが、これは1棟を対象とするよりも複数棟を対象とするほうが小さくすることができます。
それは、1つの地震が及ぼす地震動の大きさが、震源から30km離れればおよそ半減、さらに50km、100kmと離れるとかなり小さくなるからです。例えば、東京と大阪のように距離が十分に離れていれば、1つの地震によって両地域が被災することは考えにくく、ポートフォリオ全体でのリスクが小さくなるというわけです。

不動産投資に対する考え方の変化

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バブル期までの不動産投資は所有するだけで値上り益に期待する投資や、節税目的だけで不動産リスクを軽視した投資がほとんどでした。
もともと不動産は「長期運用に適し、インフレにも強みを発揮するが、換金性に劣る」資産として位置づけられてきましたが、不動産投資についても、ほかの金融商品と同様、不動産を利用することによって生み出される収益(キャッシュフロー)と流動性を重視する状況になってきました。

不動産投資信託への投資のポイント

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不動産投資信託は複数の投資家から資金を集め、これをプールして1つのファンドを組成し、この資金を専門家が主に不動産で運用し、そこから得られる収益を投資家に分配する集団投資スキームです。
不動産投資信託は、分散投資された不動産ポートフォリオからの収益(キャッシュフロー)を投資家に分配する、配当収入(インカムゲイン)に重点を置いた投資商品なのです。

不動産投資信託の主な特徴は、以下の通りです。

  • 分散投資
    小口の資金で複数の不動産に分散投資
  • 安定配当
    オフィスビルなどから入る賃貸料収入を投資家に配当として分配
  • 換金性・流動性
    取引市場に上場することで、高い換金性と流動性を確保

不動産投資信託は少額から投資することが可能で、積極的な情報開示も図られており、ほかの不動産投資商品に比べ、流動性、資産の分散度、透明性、小口性という点から、優れた商品といえます。
ただし、上場した不動産投資信託はほかの株式と同様、取引市場で売買されるため元本が保証された商品ではなく、値下がりするリスクも考慮して投資する必要があります。また、不動産特有のリスクなど様々なリスクも存在することから、投資する場合には証券会社の窓口等でリスクについて十分に確認していただくことが必要です。
さらに不動産投資信託は、実際の不動産運用業務を外部の専門家である資産運用会社に外部委託することが義務付けられており、運用成果は資産運用会社のマネジメント能力に大きく左右されます。
投資した後も、資産運用報告書などで、しっかりと運用しているかどうかチェックすることが必要です。