分配金の安定性
変化率が比較的低い一口当たり分配金
JPRの一口当たり分配金は、過去の平均値やピーク値からの変化率が比較的低い傾向があります。
J-REITでは、一般的に導管性要件(注)をクリアするため、保有不動産等の賃料収入を原資とする利益のほぼ100%を分配することに特徴があります。
特にオフィスは、景気や市況の影響を受けやすく、好況期に賃料や稼働率が上昇し、不況期には低下する傾向があり、一口当たり分配金は相応に変動することになります。 JPRの一口当たり分配金の変化率が低い特徴は、以下の要因によるものと考えています。
- 競争力の高い優良物件を多く保有していること
- 都市型商業施設が収益の安定性を底支えしていること
- オフィスの大型テナント占有率が低く、分散が効いていること
- 不況期に新規物件投資により収益の底上げを図ったこと
JPRでは、引き続き一口当たり分配金の安定成長に取り組んでいく方針です。
- (注)導管性要件とは、法人段階で課税されないための要件のことです。J-REITでは配当可能利益の90%以上を投資家に分配することや筆頭投資主の保有比率が50%以下であることなどがあります。
分配金の推移
- 2009年6月期(第15期)における分配金の減少要因
当時、取得を予定していた地方商業施設の解約違約金(19億円)を特別損失として計上したことにより、一口当たり分配金3,040円相当が減少することになりました。本件の詳細については、ニュースリリース「2009年2月17日付、資産の取得中止に関するお知らせ【(仮称)KM複合ビルプロジェクト商業施設棟】」をご覧ください。
COLUMN
金融機関等による保有比率が高い投資主構成
JPRの投資主属性別の保有比率は、投資信託、信託銀行および地方銀行等の金融機関等による保有比率が全体の過半以上を占める高い比率となっています。背景として、JPRの一口当たり分配金が比較的安定しており、時価総額で一定程度の規模があり、格付AA (R&I:AA-) を保有していることなどから、金融機関にとって投資しやすい銘柄になっていることが推測されます。